S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)

S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)は、ABLIC製の温度センサ IC(-30~+100℃)です。S-5813AシリーズのOSS-ECAL(電子部品抽象化レイヤのオープンソースソフトウェア:Open Source Software for Electronic Components Abstraction Layer)を提供致します。
MCUインタフェース:ADC

ご注意:実際の設計などの前には、必ず最新版Datasheetをご参照くださいますようお願いいたします。

S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)

概要

S-5813A/5814Aシリーズは、温度変化に対してリニアな出力電圧が得られる高精度の温度センサICです。チップ内に温度センサ、定電流回路、オペアンプが集積されています。動作周囲温度は-40°C~+100°Cで、従来のサーミスタなどの温度センサと比較してリニアリティが非常に優れており、温度制御に関する広範囲な応用が可能です。

特徴

  • 温度精度が高い
    S-5813A:±5.0°C(-30°C~+100°C)
    S-5814A:±2.5°C(-30°C~+100°C)
  • 温度変化に対して、リニアな出力電圧が得られる
    -11.04 mV/°C Typ.
    Ta =-30°C: 2.582 V typ.
    Ta =+30°C: 1.940 V typ.
    Ta =+100°C: 1.145 V typ.
  • リニアリティが優れている ±0.5% typ.(-20°C~+80°C)
  • 広い電源電圧範囲で動作可能 VDD = 2.4 V~10.0 V ( +25°C )
  • 消費電流が低い 4.5 μA typ.(+25°C)
  • オペアンプを内蔵
  • VSSを基準にした温度電圧出力
  • 鉛フリー、Sn 100%、ハロゲンフリー

用途

  • 携帯電話、無線機などの高周波回路特性の補正
  • 水晶振動子の発振周波数の補正
  • LCDのコントラスト補正
  • アンプゲインの補正
  • オートフォーカス回路の補正
  • バッテリマネジメントにおける温度検知
  • 充電池、ハロゲンランプなどの過熱防止

OSS-ECAL仕様

API関数

etSTS oS5813A( etCMD cmd, float32* rlt )

oS5813A関数は、引数のコマンドによってS-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)の処理を実行するAPI関数です。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_MIN最小温度エラー(rltは最小温度)
eSTS_ERR_MAX最大温度エラー(rltは最大温度)
eSTS_ERR_HAL_ADCHAL ADCエラー
eSTS_ERR_COMMAND_CODEコマンド選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_ADC_OBJECTAD変換オブジェクト選択エラー
引数 INetCMD cmdOSS-ECALコマンドコード
eCMD_STARTAD変換をスタートするコマンド
eCMD_READAD変換値を読込み、AD変換値を温度に変換するコマンド
AD変換値から温度変換式
電圧値=(AD変換値×VDD)/(2AD bit)
温度=((電圧値-電圧オフセット値)/ゲイン係数)+温度オフセット値 (Min, Max Limit)
eCMD_START_READAD変換をスタートし、AD変換値を読込み、AD変換値を温度に変換するコマンド
AD変換値から温度変換式
電圧値=(AD変換値×VDD)/(2AD bit)
温度=((電圧値-電圧オフセット値)/ゲイン係数)+温度オフセット値 (Min, Max Limit)
引数 OUTfloat32* rlt温度 -30.0 to +100.0 [°C]

HAL別コマンド対応表

ArduinoeCMD_START_READ
ARM MbedeCMD_START_READ
Infineon ModusToolboxeCMD_START_READ
NXP MCUXpresso iMXRT1051B_1052BeCMD_START
eCMD_READ
eCMD_START_READ
Renesas SSPeCMD_START
eCMD_READ
eCMD_START_READ
STM STM32Cube FW_F4eCMD_START
eCMD_READ
eCMD_START_READ
etSTS oS5813A_START(void)

oS5813A_START関数は、S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)のAD変換を開始するAPI関数です。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_HAL_ADCHAL ADCエラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_ADC_OBJECTAD変換オブジェクト選択エラー

HAL別関数対応表

Arduino
ARM Mbed
Infineon ModusToolbox
NXP MCUXpresso iMXRT1051B_1052BX
Renesas SSPX
STM STM32Cube FW_F4X
etSTS oS5813A_READ( float32* rlt )

oS5813A_READ関数は、S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)のAD変換の終了を確認し、AD変換値を読み込み、そのAD変換値を温度に特性変換して、その温度をrltに保存するAPI関数です。

AD変換値から温度変換式
電圧値=(AD変換値×VDD)/(2AD bit)
温度=((電圧値-電圧オフセット値)/ゲイン係数)+温度オフセット値 (Min, Max Limit)

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_MIN最小温度エラー(rltは最小温度)
eSTS_ERR_MAX最大温度エラー(rltは最大温度)
eSTS_ERR_HAL_ADCHAL ADCエラー
eSTS_ERR_TIMEOUTADC Timeoutエラー(AUTOSARのみ)
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_ADC_OBJECTAD変換オブジェクト選択エラー
引数 OUTfloat32* rlt温度 -30.0 to +100.0 [°C]

HAL別関数対応表

Arduino
ARM Mbed
Infineon ModusToolbox
NXP MCUXpresso iMXRT1051B_1052BX
Renesas SSPX
STM STM32Cube FW_F4XTime-out時間 HAL_MAX_DELAY
etSTS oS5813A_START_READ( float32* rlt )

oS5813A_START_READ関数は、S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)のAD変換を開始し、AD変換の終了を待ち、AD変換値を読み込み、そのAD変換値を温度に特性変換して、その温度をrltに保存するAPI関数です。

AD変換値から温度変換式
電圧値=(AD変換値×VDD)/(2AD bit)
温度=((電圧値-電圧オフセット値)/ゲイン係数)+温度オフセット値 (Min, Max Limit)

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_MIN最小温度エラー(rltは最小温度)
eSTS_ERR_MAX最大温度エラー(rltは最大温度)
eSTS_ERR_HAL_ADCHAL ADCエラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_ADC_OBJECTAD変換オブジェクト選択エラー
引数 OUTfloat32* rlt温度 -30.0 to +100.0 [°C]

HAL別関数対応表

ArduinoX
ARM MbedX
Infineon ModusToolboxX
NXP MCUXpresso iMXRT1051B_1052BX
Renesas SSPX
STM STM32Cube FW_F4XTime-out時間 HAL_MAX_DELAY

File構成

フォルダ*ファイル概要
S5813A_HALNAME_VERSION/samplesample.c (.cpp)サンプル・アプリケーション・プログラム
sample.hサンプル・アプリケーション・ヘッダ
S5813A_HALNAME_VERSIONoS5813A.c (.cpp)S-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)用OSS-ECALプログラム
oS5813A.hS-5813Aシリーズ(S-5813A, S-5814A)用OSS-ECALヘッダ
S5813A_ARDUINO.inoArduino用サンプル・アプリケーション・プログラム
oss_ecal.hOSS-ECAL 共通ヘッダ (Ver 01.00.00以降)
user_setting.c (.cpp)ユーザ設定定数・テーブル
user_setting.hユーザ設定ヘッダ
readme.mdReadme
OSS-ECAL Terms of Use.txtOSS-ECAL利用条件

* HALNAMEはHAL対応表を参照してください。

HAL対応表

HALMCU*開発環境*HALNAME
Arduino 1.8.6ATmega2560
ATmega328P
Mega 2560 Rev3
Arduino Pro Mini 3.3V
ARDUINO
ARM Mbed 6.17.0STM32F401RESTM32 Nucleo-64 boardsMBED
Infineon ModusToolbox HAL Cat1 2.4.3CYBLE-416045-02CY8CPROTO-063-BLE PSoC 6 BLE Prototyping KitModusToolbox
NXP MCUXpresso SDK
iMXRT1051B_1052B
ksdk2_0
MIMXRT1052DVL6AIMXRT1050-EVKBiMXRT1051B1052B
Renesas SSP 2.4.0R7FS7G27H3A01CFCS7G2 SKSSP
STM STM32Cube FW_F4 V1.27.1STM32F401RESTM32 Nucleo-64 boardsSTM32F4

* 開発時のMCUおよび開発環境。
  同じHALであってもMCUや開発環境が異なると動作が合わない場合があります。

OSS-ECAL ダウンロード

ダウンロードは、ログインしてから行ってください。新規のユーザ登録は、こちらから行ってください。

組込み方法

ユーザプログラムにOSS-ECALを組み込む方法

ユーザプログラムに複数のOSS-ECAL(同じMCU機能の電子部品)を組み込む方法

ユーザプログラムに複数のOSS-ECAL(異なるMCU機能の電子部品)を組み込む方法

ユーザプログラムに複数同じ電子部品を組み込む方法

電子部品の入れ替えによるユーザプログラムへの影響低減方法

注意事項

サンプル版OSS-ECALは、優先順位の異なるThread(Task)や割込みで用いることを前提としていません。下記の例のような使い方はしないでください。

例)同じADCグループに各センサーが割り当てられ、優先順位が異なる処理でOSS-ECAL APIを実行すると、正しい値を取得できない場合があります。
ADC Gr0 Ch0 温度センサ AD22100A 100ms周期 Thread(優先順位低)で温度取込み
ADC Gr0 Ch1 圧力センサ MPX5999D イベント割込み(優先順位高)で圧力取込み

OSS-ECAL Japanese
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