MB85RC256V

MB85RC256Vは、FUJITSU SEMICONDUCTOR MEMORY SOLUTION製の32,768words × 8 bitsのFeRAM (Ferroelectric Random Access Memory) chipです。MB85RC256VのOSS-ECAL(電子部品抽象化レイヤのオープンソースソフトウェア:Open Source Software for Electronic Components Abstraction Layer)を提供致します。
MCUインタフェース:I2C

ご注意:実際の設計などの前には、必ず最新版Datasheetをご参照くださいますようお願いいたします。

MB85RC256V

概要

MB85RC256Vは、不揮発性メモリセルを形成する強誘電体プロセスとシリコンゲートCMOS プロセスを用いた32,768
ワード×8 ビット構成のFeRAM (Ferroelectric Random Access Memory: 強誘電体ランダムアクセスメモリ) です。
MB85RC256Vは, SRAM のようにデータバックアップ用バッテリを使用しなくてもデータ保持が可能です。
MB85RC256Vに採用しているメモリセルは書込み/読出し動作でバイトあたり最低1012 回の耐久性があり, ほかの不揮
発性メモリ製品よりも大きく上回ります。
MB85RC256Vでは, フラッシュメモリやE2PROMのような長い書込み時間は不要のため, 1バイト単位での書込みを 実
現しています。 したがって, ライトビジー状態のような書込み完了待ちシーケンスは必要としません。

特徴

  • ビット構成 : 32,768 ワード×8 ビット
  • 2線式シリアル・インターフェース : シリアルクロック (SCL) とシリアルデータ(SDA) の2ポートですべての制御が可能
  • 動作周波数 : 1 MHz (Max)
  • 読み書き耐久性 : 1012 回 / バイト
  • データ保持 : 10 年 ( + 85 °C), 95 年 ( + 55 °C), 200 年 ( + 35 °C) 以上
  • 動作電源電圧 : 2.7 V to 5.5 V
  • 低消費電力 : 動作電源電流 200 μA (Max @1 MHz) スタンバイ電流 27 μA (Typ)
  • 動作周囲温度範囲 : − 40 °C to + 85 °C
  • パッケージ : プラスチックSOP, 8 ピン (150mil)、プラスチック SOP, 8ピン (208mil)、両パッケージ品共にRoHS指令に適合しています。

OSS-ECAL仕様

API関数

etSTS oMB85RC256V_BYTE_WRITE( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint8 val )

oMB85RC256V_BYTE_WRITE関数は、MB85RC256Vに対して指定したアドレスmem_adrにvalの値をWriteするAPI関数です。

備考 :
この関数を使用する際には、oMB85RC256V_WP_DIS関数でライトプロテクトを解除してからご利用ください。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_PARAMETERパラメータエラー(メモリアドレス)
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
uint16 mem_adrメモリアドレス0x0000 to 0x7fff
uint8 val書き込むデータ
etSTS oMB85RC256V_PAGE_WRITE( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint16 len, uint8* buf )

oMB85RC256V_PAGE_WRITE関数は、MB85RC256Vに対して指定したアドレスmem_adrから順番にbuf[0]からbuf[len-1]の値をWriteするAPI関数です。

備考 :
mem_adr + len > 0x7fffとなった場合、アドレスは0x0000にロールオーバーします。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_PARAMETERパラメータエラー(メモリアドレス)
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
uint16 mem_adrメモリアドレス0x0000 to 0x7fff
uint16 len書き込むByte数
uint8* buf書き込むデータバッファ
etSTS oMB85RC256V_CURRENT_READ( etCMP cmp, uint8* rlt )

oMB85RC256V_CURRENT_READ関数は、MB85RC256Vに対して前回のReadまたはWriteしたアドレス + 1から1Byte分の値をReadし、rltに保存するAPI関数です。

備考 :
前回のReadまたはWriteしたアドレス + 1 > 0x7fffとなった場合、アドレスは0x0000にロールオーバーします。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
引数 OUTuint8* rlt読み込むデータ
etSTS oMB85RC256V_RANDOM_READ( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint8* rlt )

oMB85RC256V_RANDOM_READ関数は、MB85RC256Vに対して指定したアドレスmem_adrから1Byte分の値をReadし、rltに保存するAPI関数です。

備考 :

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_PARAMETERパラメータエラー(メモリアドレス)
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
uint16 mem_adrメモリアドレス0x0000 to 0x7fff
引数 OUTuint8* rlt読み込むデータ
etSTS oMB85RC256V_SEQ_READ( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint16 len, uint8* buf )

oMB85RC256V_SEQ_READ関数は、MB85RC256Vに対して指定したアドレスmem_adrから順番にlen分のデータを読み込み、buf[0]からbuf[len-1]に保存するAPI関数です。

備考 :
mem_adr + len > 0x7fffとなった場合、アドレスは0x0000にロールオーバーします。

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_PARAMETERパラメータエラー(メモリアドレス)
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
uint16 mem_adrメモリアドレス0x0000 to 0x7fff
uint16 len読み込むByte数
引数 OUTuint8* buf読み込むデータバッファ
etSTS oMB85RC256V_DIAG_ID( etCMP cmp )

oMB85RC256V_DIAG_ID関数は、Manufacture IDとProduct IDを読み込み、Manufacture ID = Fujitsu Semiconductor (0x00A)およびProduct ID = 0x510の比較結果を戻り値として返すAPI関数です。

備考 :

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN比較結果 True
eSTS_ERR_DIAG比較結果 False
eSTS_ERR_I2C_OBJECTI2Cオブジェクト選択エラー
eSTS_ERR_OTHERS_RUN他のコンポーネントが処理実行中
eSTS_ERR_HAL_OTHERS_RUN他のアプリケーションがHAL実行中
eSTS_ERR_HAL_I2CHAL I2Cエラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
etSTS oMB85RC256V_WP_EN( etCMP cmp )

oMB85RC256V_WP_EN関数は、MB85RC256Vに対してWrite protect enable (write disable) = “Hi” 出力するAPI関数です。

備考 :

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_GPIO_OBJECTGPIOオブジェクト選択エラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード
etSTS oMB85RC256V_WP_DIS( etCMP cmp )

oMB85RC256V_WP_DIS関数は、MB85RC256Vに対してWrite protect disable (write enable) = “Low” 出力するAPI関数です。

備考 :

戻り値etSTSOSS-ECALステータスコード
eSTS_FIN正常終了
eSTS_ERR_GPIO_OBJECTGPIOオブジェクト選択エラー
引数 INetCMP cmpOSS-ECAL コンポーネントコード

File構成

フォルダ*ファイル概要
MB85RC256V_HALNAME_VERSION/samplesample.c (.cpp)サンプル・アプリケーション・プログラム
sample.hサンプル・アプリケーション・ヘッダ
MB85RC256V_HALNAME_VERSIONoMB85RC256V.c (.cpp)MB85RC256V用OSS-ECALプログラム
oMB85RC256V.hMB85RC256V用OSS-ECALヘッダ
MB85RC256V_ARDUINO.inoArduino用サンプル・アプリケーション・プログラム
oss_ecal.hOSS-ECAL 共通ヘッダ (Ver 01.00.00以降、AUTOSARはVer01.01.07以降)
user_setting.c (.cpp)ユーザ設定定数・テーブル
user_setting.hユーザ設定ヘッダ
oHAL_i2c_stm32f4.cSTM32Cube FW_F4用HALプログラム
oHAL_i2c_stm32f4.hSTM32Cube FW_F4用HALヘッダ
readme.mdReadme
OSS-ECAL Terms of Use.txtOSS-ECAL利用条件

* HALNAMEはHAL対応表を参照してください。

HAL対応表

HALMCU*開発環境*HALNAME
Arduino 1.8.6ATmega2560
ATmega328P
Mega 2560 Rev3
Arduino Pro Mini 3.3V
ARDUINO
ARM Mbed 6.17.0STM32F401RESTM32 Nucleo-64 boardsMBED
Infineon ModusToolbox HAL Cat1 2.4.3CYBLE-416045-02CY8CPROTO-063-BLE PSoC 6 BLE Prototyping KitModusToolbox
NXP MCUXpresso SDK
iMXRT1051B_1052B
ksdk2_0
MIMXRT1052DVL6AIMXRT1050-EVKBiMXRT1051B1052B
STM STM32Cube FW_F4 V1.27.1STM32F401RESTM32 Nucleo-64 boardsSTM32F4
Debian(Linux) v2022.04TI AM335xBeagleBone Black – Rev CLinux

* 開発時のMCUおよび開発環境。
  同じHALであってもMCUや開発環境が異なると動作が合わない場合があります。

OSS-ECAL ダウンロード

OSS-ECALのダウンロードは、英語版OSS-ECALサイトからお願いいたします。なお、ダウンロードを行う際は、英語版OSS-ECALサイトにログインしてから操作してください。

組込み方法

下記を参考にユーザプログラムにAPI関数を組み込んでください。

Pin A0, A1, A2の設定は、user_setting.hの以下のコードで設定してください。

// Device address Code bit2:A2, bit1:A1, bit0:A0
#define MB85RC256V_1            0b00000111

Infineon ModusToolbox HALの場合は、I2C Timeoutの設定をuser_setting.hの以下のコードで設定してください。
詳しくは、cyhal_i2c_master_write(), cyhal_i2c_master_read() Parameters timeoutを参照してください。

#define I2C_TIMEOUT             10U     // Timeout[ms] 

STM32Cube FW_F4 HALの場合、I2C Timeout時間は25msです。

注意:
次のコマンドAPI関数は、Read/Writeのデータ長lenによって、Timeoutの時間が異なります。
etSTS oMB85RC256V_PAGE_WRITE( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint16 len, uint8* buf )
etSTS oMB85RC256V_SEQ_READ( etCMP cmp, uint16 mem_adr, uint16 len, uint8* buf )

ユーザプログラムにOSS-ECALを組み込む方法

ユーザプログラムに複数のOSS-ECAL(同じMCU機能の電子部品)を組み込む方法

ユーザプログラムに複数のOSS-ECAL(異なるMCU機能の電子部品)を組み込む方法

ユーザプログラムに複数同じ電子部品を組み込む方法

電子部品の入れ替えによるユーザプログラムへの影響低減方法

注意事項

サンプル版OSS-ECALは、優先順位の異なるThread(Task)や割込みで用いることを前提としていません。下記の例のような使い方はしないでください。

例)同じADCグループに各センサーが割り当てられ、優先順位が異なる処理でOSS-ECAL APIを実行すると、正しい値を取得できない場合があります。
ADC Gr0 Ch0 温度センサ AD22100A 100ms周期 Thread(優先順位低)で温度取込み
ADC Gr0 Ch1 圧力センサ MPX5999D イベント割込み(優先順位高)で圧力取込み

OSS-ECAL Japanese
error: コンテンツは保護されている